セルキー♂×ユーク♀

 

「…伸びたか?」
「ぁ? 髪? 前切ったばっかだぞ」
「違う。身長だ」

キャラバンのリーダーであり、またパーティーの紅一点であるユークが声をかけてきた。

「…そうかも。そういやあいつの身長も越したしなー」

前を歩くクラヴァットの少年を顎で示し口笛を吹く。
今のところはこのユークが一番高身長なのだが、そんな彼女とも10センチ差を切った。
成長期なのと、父親の身長の遺伝なのか、彼の身長はセルキー男性平均より高かった。
ユークと頭一個分は差があったのがつい最近のような気がする。

「まったく、無駄に伸びたな」
「なんで無駄なんだよー…。いつかお前抜かしてやるからな」
「無理だ。私は178だぞ。そこまで伸びるわけがない」
「伸びるし。そいでオレが抜かしたら姫抱っこしてやるよ」

「遠慮する!!!」と怒鳴られ、思い切り向こう脛を蹴られセルキーは悶絶した。
本当に怒っているのか、それとも彼女なりの照れ隠しなのか、表情は仮面に隠されているので分かるはずがない。
蹴られた片脚を押さえつつ、ユークの手を借りてなんとか立ち直した。
蹴ったと思ったら親切だから、

「ツンデレ?」

と聞いたら今度は鳩尾を殴られるハメになったのだが。

「調子にのるな、馬鹿が!!」
「暴力反対…っ」

 

モドル