「………っ、遠い…ぜ…」
王都の時計広場の階段を一気に上り、さらにトレインまでの全力疾走、セルキーズギルトを走る
跳ぶのアスレチック、やっとの事でここまで来た。
目の前にはワープポイントが浮いている。
「よし、行――――っ」
腕を突き出しそれをワープポイントへ向けるが、そこでためらった。
――ぶっつけ本番より、謝り方の練習をした方がいいのだろうか。
「えっと………悪かった、アミダテリオン。本当に反省してるから…絶交なんて、しないから……
あぁぁ無理無理!!!キャラが崩れる!!!何より恥ずかしい!!!!」
洞窟の中で1人真っ赤になるレイルは間違いなく変人だ。
――ワープポイントは既に開いている。
もう後戻りはできない。
「…、どうにでもなれっ!!」
ぎゅ、と目を瞑り、彼は引力でその空間へと自身を引っ張った――――――
――――――――――
「っく………」
なんとか倒れたテーブルを持ち上げようとするが、やはり重い。
アミダテリオンは大きく息をついてその場に座り込んだ。
「無理…ですね……っ。レイルでもいてくれれば……―――」
言いかけて止める。
――もう頼れる人などいないのだ。
絶交――という事実に彼女はまた絶望する。
部屋の中心の泉から、彼の気配はまったくしない。
やはり許してくれるはずがないのだ、とアミダテリオンは泣きたくなる。
「…れい、る…っ」
「アミダテリオンーーっ!!!!」
「―――っ!!?」
聞き慣れた声と共に、泉からのワープ時の音。
バッと顔を上げたときには視界が塞がれていた。
「ぉわ!!」「なっ!!?」
前から押されて背中が硬い床にぶつかり、アミダテリオンは一瞬声を無くす。
仰向けになった状態から前を正視すると、そこにあるはずのない顔があり彼女は酷く驚いた。
「れっ、レイル!!?」
「ぁ、悪い」
悪い、と謝られ、アミダテリオンは彼に押し倒されているという今の状況に気が付く。
途端顔から火が出そうな程な羞恥を覚えた。
慌ててレイルを引き剥がそうとするが、彼は離れない。
「レ、イル!!離れなさい!!!」
「アミダテリオン――っ悪かった……!!絶交なんて嘘だ!!ずっと、ずっと俺の傍にいろ!!!!」
大声でレイルが言い切ると同時に、部屋に沈黙が訪れた。
気のせいか目の前の彼の顔が、泣き出しそうかもしれない。
「れ、レイル…っ」
「好きだ…アミダテリオン」
段々と接近するレイルの表情に、うるさい程鼓動が高鳴る。
弱い力で押し返して柔らかく抵抗を見せてみるが、あちらはもうすっかりその気のようで。
レイルの手がゆっくりと下がる。
「っぁ、!?」
「悪い……我慢できない…」
そう漏らしたレイルの顔が首元に近づき、彼女のそこへキスを落とした。
アミダテリオンの体が大袈裟に跳ねる。
床に寝転がったままで摑まる対象が無く、堪らずレイルの背中にしがみ付いた。
硬いタイルに当たる鎧の装飾が耳障りにガチャガチャと音を立てる。
「駄目っ、です、…!!」
「いや無理…もう収まんない」
「ばっ…!馬鹿、当たって…――」
密着した下半身から彼の主張しているものが当たり、アミダテリオンは慌てて身をよじらせた。
しかしそれをレイルが静かに押さえる。
起き上がろうとした彼女の上半身がまた床に密着した。
「こんな、事、するならぁ…っ片付けを手伝ったらどうですか…!!」
「そんなの後でいいだろ…な?」
よほど首へのキスが感じるのかビクビクと跳ねるアミダテリオンの体を、レイルは強く抱きしめ支える。
段々と力が抜けてきたのか彼女の抵抗が少なくなってきた。
「ふっ…ん、れい、る…」
「許してくれるか…?アミダテリオン…」
「……っそんなの、いいですからっ!!、早く…やるならやりなさいっ…」
表情の変わるはずのない仮面の頭を恥ずかしそうにぷい、と横にそらし、アミダテリオンが言う。
その言葉に、途端レイルの頬がみるみる緩み赤くなった。
「…嬉しい、マジで」
「勝手に言ってなさい…」
――――――――――――
「は、もう?」
次の日にはもう普段の明るさを取り戻していた相棒を前にして、クァイスは目を細め眉をしかめる。
心なしか肌のツヤがいいレイルは早速惚気始めた。
「あーうん、仲直りした、いやーラブラブだよマジで。昨日仲直り一発やってきて、今日朝もう一ラウ
ンドやってきたんだけどやっぱ喧嘩したりして障害があると仲がまた深まっていいな、うん」
だから肌のツヤが何かといい上に満足気な顔をしているのかと、クァイスは心配して損したと息をつく。
そんな彼にレイルはまた一言放った。
「お前も早く彼女作れよっぉぶ!!!!」
「……そんなだからすぐに喧嘩するんだアホ」
「っ~殴らなくてもいいだろ…俺昨日も最中に一回殴られてるんだからな」
「………へー」
確実に惚気ている。
証拠に頬が緩んで表情がにやけていた。
「俺今からまた行ってくる」
「………」
「じゃ、クァイスサンキューな!」
無言のクァイスに片手を挙げ、レイルは時計広場から上へ向かう階段を駆け上がりその姿を彼の視界から消す。
もう明日の朝にはならないと帰ってこないだろう。
クァイスは昨日と同じベンチに深く腰掛けて額に手を当てる。
「…ばーか。だから心配なんて必要無ぇんだ、あいつめ」
そう言って仰いだ空はとても青かった。
――――――――――――――――――
↓おまけみたいなの(いちゃついてるだけ)
「また来たんですか?」
「あぁ。暇だったし……お前の顔が見たかったから」
「っレイル、!!」
「なぁ…もう一回。いいだろ?」
「ばっ…今朝やったでしょう!!体がもちません!!」
「やっぱりお前がいい…可愛い、大好きだ」
「ち、調子に乗らないでくださいっっ!!!私は――ぁっ、」
「遠慮すんなって」
「してませ――!!!」
暗転。
あとがき
レイアミ公式宣言。
レイルは絶倫、アミダはツンデレだけどまぁレイルが好きだから嫌々態度とりつつしっかり
やる。
ベアラー続編出てほしいなぁー…
そのときはぜひぜひ!!!アミダさん復活で…頼むぜマジで!!!