ただ、君だけを


「……………で、そうなってな」
「あ…、そうか」


おくりのいずみ

彼、ギラティナは、そこでてんくうポケモンレックウザと会話を交わしていた。
毎日来ては、楽しげに様々な話を聞かせてくれる彼。

それを楽しみにしているのは、本当だった。


けど、今日は何故か彼の話が頭に入らない。

たまに頭痛もする。


「…ギラティナ?」
「な…なんだ?」
「大丈夫か?顔色が悪いぞ」

レックウザが顔を覗き込んできた。
それに一瞬胸が高鳴るが、すぐにそれどころではなくなった。

「あ、あぁ……だい…じょうぶ……」
「ギラティナ!!?」

意識が朦朧となって、レックウザの体にもたれかかる。
彼に額を触られた。

「おい、熱があるじゃないか!!」
「っ……」

段々とギラティナの息が荒くなる。
辛そうなギラティナを、すぐ側の壁にもたれさせた。

「っく…ぁ……」
「しっかりしろ。今、楽にしてやる」

とは言ったものの、看病の仕方など分かる筈もない。 
とにかく熱を下げる為に彼を冷やさなければ。

「え…、えっと……」
「レックウザ…」
「な、なんだ?」



「…だ…抱き締めてくれ……」




耳を疑った。
いや、嬉しいのは確かだが、けど……



けど…!!?


「なっ、なななな何を言ってるんだ!?ね、熱が上がったかッ」
「側に、いてくれ……」

上目遣いでこちらを見てくるギラティナ。
ドキリと心臓が高鳴る。

頬の赤み、潤んだ目

全てが、彼の心を奪った。


「じ、じゃあ、す…少しだけだぞ」


緊張で震える腕で、彼を抱き寄せる。
少し乱暴気味だったかもしれない。
彼の体は、熱で熱かった。

「レックウザ……」
「…ギラティナ」


甘い声で呼ばれて、レックウザは密着させていた体を離しギラティナの顔を見据える。
やはり……流れ的に、次はアレだろうか。


「ギ、ギラティナ…。その、えと」
「…いいぞ」
「は?」

思い留まっていれば、ギラティナの顔が近付いてくる。

そのまま、唇同士が触れた。


「……ッ!!?」

突然の事態に、言葉が出ない。


唇はすぐに離れた。
心臓が早鐘のように鳴っている。



「ギ……ラティナ?」



寝息が聞こえた。
バッと彼の顔を見れば。

「……すー……」
「寝てる……」


なんだったんだ、今のは。
熱の、勢いなのか。
いや、

熱は関係無い事を祈りたいが。


「……愛してる」



今の行為は、期待していいのか。


レックウザは、また眠る彼に唇を落とした。
そして、彼を壁にもたれかけさせる。


「あーあ……」


ため息をつくと、ギラティナの隣に座り、彼もまた寝息をたてた-------。








「…レックウザ?」
「…!!?」

朝。

瞼を開けば、一匹の黄金の竜が視界に映った。


「ギ、ギラティナ」
「大丈夫か?」
「あっ、あぁ…」

昨日の事を聞こうとしたが、どうやら覚えていないらしい。
少し脱力した。


「おい。顔色が悪いぞ?」
「え…?」


その日、逆に彼が風邪をひいていただとかなんとか。



「…口付けが効いたか…」
「どうした?」
「なんでもない」



[END]




あとがき

お待たせしました、くろ様!!
ど、どうでしょうか?
レクギラ久し振りだったので少しおかしいかも…
こんなんで良ければ貰ってください!!

 

モドル