その血が滲んだ唇に、

 


私は、最近自分が分からない。


おかしいのだ。

 

彼を見ると、胸が高鳴る。
顔が熱くなる。

その長い体に抱きつきたくなる。


その唇に口付けたいと思う。

 

これは、なんなのだろう。

 

 

 


ある、雨の降った日だった。

私は泉付近にある岩場で雨宿りをしながら、空を見る。


――今日は、さすがに来ないか。

 

彼は何か事情が無い限りは、必ずここにやってくる。
私に会いにきてくれる。

けど、今日はかなりの土砂降りだ。

さすがに、今日はないだろう。

 

私は待つ事を諦めて、立ち上がった。

 

そのとき、

 


「ギラティナ」

 

 

低く、よく通る美しい声。

私はバッ、と振り返る。

 

そこには、待ちに待った彼がいた。

 


けど、その顔は。

 

「れ、レックウザ!?どうした、その怪我は!!!!」

血が滲んだ唇。
細長い緑色の体には、幾つもの傷がついていた。


「あぁ……ここに来る途中、少し絡まれて、な。大丈夫だ。これくらいの傷」

 

痛々しい傷を負っていながらも、レックウザは笑った。

つらい。

強がっているんじゃないのか?

 


「この雨には少々体が堪えたがな…。まぁ、お前に会う事ができて良かった」

「レックウザ………」

 

とても嬉しかった。

この土砂降りの雨の中、自分の為に、傷を負ってまでも会いにきてくれた。

 

 

やはり


このとき自覚した。

 


彼が好きだと。
愛していると。

 

 

「…ありがとう」
「な………」

 


血で赤く滲んだ彼の唇に、小さく音を立てて口付けた。


自らの行為に、私は顔が熱くなるのが分かる。
見上げれば、彼の顔もこれ以上ないほどに真っ赤になっていた。

 

「ぎ、ぎ、ぎぎぎぎっっ、ギラティナっっ………!!!?」

「まだ、ついている」

 


レックウザの唇についた血を、私は自分の舌で舐め取る。

 

本当に、彼が大好きなのだ。
私は。

 


「まっ、待て!ギラティナっっ」
「好きだ…レックウザ………」

 

甘えた声でつぶやくと、私は彼の胸に埋まった。

レックウザの高い体温が、直に伝わってくる。
私も実際、相当照れていた。

けど、やってしまった事は仕方ない。


もう後はどうにでもなれ。

 


「ぎら……てぃな……」
「なんだ…?」


「その……我も、お前が………」

 

そのあとの彼の言葉は聞けなかった。


私の意識はそこで途切れ、そのまま眠りについてしまったのだ。

 

 

 


彼の胸の中は、とても暖かかった。

 

 

彼との初めてのキスは、血の味で。

 

 

[END]

 

 


あとがき

レクギラ万歳\(・∀・)/
あぁぁやべぇついに告白させちまった。
レクギラは友達以上恋人未満が一番いいのに何やっちゃってんだオレ。
まぁ後でなんとかしよう。

 


モドル