「……また貴様はそんな物を食って……」
「別にいいだろ。オレの勝手じゃねぇか」
目の前で、明らかに甘ったるそうな菓子をボリボリ下品な音を立てて食べるパルキアに、ディアルガはため息をつく。
そんな物のどこが美味しいというのだろう。
一度食べた事のあるディアルガだったが、そのときは甘くて口に合わなく、すぐに食べるのをやめてしまった。
パルキアの食べる、棒状のクラッカーにチョコがコーティングされた菓子を見て、ディアルガは少し吐き気を覚える。
あんな物絶対に食べれない。
そもそも空間の神と詠われている奴が、神がまつわれている神聖な『やりのはしら』でそんな菓子を食っている時点でおかしい。
やっぱり馬鹿だ、こいつは。
改めて実感したディアルガだった。
「ディアルガ」
不意に名前を呼ばれ、ディアルガはもたげていた首を上げる。
パルキアがこちらに指を向けて言い放った。
「食う?」
―――誰が食うか。
睨む目で気持ちが伝わったのか、パルキアはまた黙々とそれ食べ始めた。
あぁ大嫌いだ、あんな物。
胸の中で違う感情がモヤモヤしているが、それが何かは分からない。
ただ、ムカついた。
――菓子ばかりに集中するな、馬鹿。
ただそう思っただけだ。
「……なぁ、なんでさっきから黙ってんだよ。怖ぇぞお前」
「っうるさい。黙って食えばいいだろう」
「ふーん……」
そっぽを向いたディアルガに、パルキアが歩み寄る。
そして。
「っんぐ!!?」
自分の手にあった菓子を、ディアルガの口に突っ込んだ。
ディアルガは突然の事態が飲み込めなくて、結果、それを地面に吐き出す。
「な、な、何をする、貴様!!」
「いや、食いたいのかなーと。これを。ずっとオレの事見てたから」
――お前を見ていたんだよ!!
そう言いたかったが、そんな恥ずかしいツッコミを自分ができるわけがない。
けど、何故か少し嬉しかった。
彼の笑顔が自分に向けられている事が。
「…しかし甘いな」
「そっかー?オレには丁度いいけどなぁ」
そう言って、パルキアはニッと笑う。
――あー、可愛い!!反則だ!!!
無邪気な笑顔がとても可愛い。
絶対言わないけど。
やっぱり好きなんだなぁ、と、改めて思う。
「……パルキア」
「ん?」
「す……す、す、好き…だ…」
一度言った事のある言葉だったけど。
もう一度伝えておきたかったのだ。
俯かせていた顔を上げると、パルキアが顔を真っ赤に染めてそっぽを向いていた。
――こういう初心な所が可愛い。
ふとそう思ってしまう。
「…っし、知るか」
「くくっ…」
「笑うな!!!」
可笑しくて笑えば、パルキアに思い切り怒鳴られた。
――――お前は、私だけ見ていればいい。
なんていうのは、少し我が侭だろうか。
私だけを、愛してください。
[END]
あとがき
短かっ!!
結局何を書きたかったのかというと菓子を食べるパルキアです。(……)
モヤモヤする感情は、ディアルガがただ菓子に妬いている、という事ですハイ。
久々のパルディアだったのでメチャクチャです……サーセン。