世にも不思議な現象 fiast

 

何がおこったのだろう。

頭に電撃のようなショックが流れて、それで―――

 

 

「「あーーーーーーーーーっっっ!!!!!?」」

 

 

 

目の前にいる人物を見て、二匹が同時に驚愕の声を上げた。


今自分が見ているのは―――自分。

 


「なっ、なっ、なんでオレがオレの目の前に!!」
「わ、私が何故私の目に見えるの!!」


チームKHKTのリーダーからしと、そのチームメイト、ネロ。
二匹は明日の依頼について、からしの基地で話し合いをしていたところだ。

だが、突然、一瞬目の前が真っ暗になり、また目を開けば

 

自分が目の前にいたのだ。

 

 

視線を下に落とせば、やはり見慣れない体が視界に映った。

 

「ま、まさか…」

「私たち…」

 


「「入れ替わった!!!?」」

 

 

 

二匹同時にそう叫び、そしてサーッと青ざめる。


思った事はただ一つ。

 

冗談じゃない!!

 

「ど、どうしよう」

「と、とにかく、元に戻る方法を見つけるのですわっ!私たちでは解決できないかもしれません。だから、優秀な貴方のパートナーをお呼びなさい!!!」

「は、ハッポを!?こんなややこしいときに!!?」
「今はそんな場合では――っ」

 


「からし?ネロとの会議終わったか?」

 

タイミング悪っ!!!


からしのパートナーであるハッポが、ひょっこり顔を覗かせた。
からしから冷や汗が吹き出る。


「(と、とりあえず事情を話してみようぜ。よし、オレが……)」


「…その必要はないですわ…。ちょっと借りますわね、この体」
「な!!?」


ネロが何故か、上機嫌で立ち上がった。
からしも立ち上がろうとするが、慣れないミロカロスの体のせいで、立とうとした瞬間見事すっ転ぶ。

 

「……?大丈夫なのか、ネロ」


「ハーーッポ♪会いたかったぜ!!」

 

吃驚。


からしが顔を上げれば、ハッポに抱きついているネロ(体はからし)がいた。

ハッポの顔はただ唖然としている。


「や…っ、やめんか貴様ぁぁ!!何してんだっ……ぉぶ!!」


学習をしないからしは、立ち上がろうとしてまた転ぶ。


ネロはこちらを向いて不適に笑うと、またハッポに振り返り、甘い声を出した。

 

「待たせて悪かったな、ハッポ……」
「は…!?お、おい。頭でも打ったのか?」
「もう、なんだよ。オレがおかしいってか?」

そう言って、ネロはハッポの顎を手でさする。
さすがのハッポの顔も段々と赤く染まってきた。


「(お、オレはあんなキャラじゃねぇぇ!!!やめんかーっ!!)」


自分と他の奴がいちゃついているのを見るのは、なんとも違和感があるものだ。

それに―――


「(ハッポの奴、中身がネロだって事に全く気付いてねぇしっ。それでもパートナーかよ!!?デレデレすんな、ボケ!!)」


恐らくネロの目的は、いつもと違うからしの様子におどおどするハッポの反応。

遊ばれてたまるか、と立ち上がろうとするが、どうも体が言う事を聞かない。
なんであっちはあんなに順応性が高いんだ。


「お、おい、からし!ネロもいるだろ!!」
「嬉しいくせに。離れてほしいのか?」
「っ!!そっ、それは……ッ」


む………むかつくっっ!!!


あの浮気者!!
好きなのはオレじゃねぇのか、え!!?
体はそっちにあっても中身はこっちじゃ!!


……妬いてるワケじゃねぇぞ!!!


「オレの事…好きなんだろ?」
「ぐ、むむ……だ、だから、ネロがいるってぇ……」

 


…………

もーーーっ、我慢できねぇぇぇぇ!!!!!!

 

「ネエェェロォオォォォっっ!!!いい加減にしやがれぇ!!!人の体をなんだと思ってやがる!!」
「ん…?おう、なんだネロ」
「ちっげぇ!!か・ら・しだ!!!」


ネロの体で叫んでいる為に、声に迫力が出ない。
女の体はこんなにも不便なモノなのか。


「ね、ネロ……?」

 

「ハッポはオレだけのものだ!!オレの体利用して、これ以上なんかしたらぶっ飛ばすぞ!!!」

 


ゼェゼェと息をきらしながら、全て言い終える。
ハッポはただただ様子の変わったからし(体はネロ)を見ているだけだ。

今度はそんなハッポに向かって怒鳴る。

 

「ハッポ!!いいか、よく聞け!オレたちはなぁ、入れ替わってんだ、今!!!お前に抱きついてんのがネロで、今喋ってるこのオレがからし!!!OK!!?」

 

「………え?」


「じゃあ証拠は!!?」

 

またネロが前に出てきた。

こいつ――――どこまでも邪魔をする気か!

 

「ふ、ふん……証拠?そんなもの、いくらでもあるぜ」
「へぇ……どんな」

 

 

「それはな――

 

オレしか知らねぇ情報だよ」

 

 

 


つづく

 


モドル