腐った世界

 


「っうわあぁぁぁぁぁぁ!!!」

叫び声を上げて、バッと体を起こす。
体中に、汗がびっしょりついていた。


「ゆ……夢…か…」


今までの出来事が夢だと気づき、酷く安心する。

美しい七色の翼も、今は輝きを無くしていた。


「何故、あんな夢を……」


思い返せば、また震える。
夢に見た、暗黒の世界。

 


死んだ生物。
動きもしない水面。
木々も歌う事を忘れ、
風もささやく事を忘れた、


まさに、漆黒の空間。


そして、何よりも彼の心を動かしたのが。


「馬鹿…。これは夢だ。あいつが、死ぬ訳無い…」


血塗れた、かつては白き翼。


体が勝手に動き出した。
今すぐに、会わなくては。

七色の翼が、大きく広げられ、飛び立った。

 

 

「ルギアッ」

小さな森に降り立ち、その名を呼ぶ。
どうか、返事をしてくれ。

「ルギア!!ルギアッ!!!」

返事を、して。

おかしくなってしまう。

 

「…ホウオウ?」
「っル…ギア……ッ」

現れた、白き鳥。
今にも泣きそうなホウオウとは裏腹に、ルギアの方は、きょとんとした顔。

「ど、どうしたんだ。私に、何か用か?」
「馬鹿ぁ……ッ!!」

何故いきなり馬鹿と言われなければいけない。
真っ先にそう思ったが、言い返そうとはしない。

「ホウオウ…?だからどうしたんだ……ッ」


言いかけて、言葉が止まる。
ホウオウが、抱きついてきたのだ。


「っ…!!?ホ、ホ、ホウオウッ!?」
「もう少し…このままで……ッ」

溢れる涙を、どうにか見られなかった。
ルギアの体温が、段々と上がっていくのも無視して、ホウオウは回している羽の力を強める。


「絶対……我より、後だぞ…」
「なっ、なんの話だ……ッ」


先に逝ってしまうなんて、絶対に許さない。


世の中、腐っている。
何故、我の気持ちに気付いてくれない?


[END]

 

あとがき

なんかルギ←ホウって感じだったな…。
そしてルギアがヘタレっぽいぜ。
私が考える攻めはみんなヘタレだよ。

 


モドル