ある日の昼下がり。
2匹は遭遇した。
「…………」
その2匹の間に、火花が散る。
戦闘態勢になり、じりじりと間合いを計る様は、天の竜と地の虎の様だ。
「貴様は…、いい加減身を引け。貴様などが、あいつを幸せにできるものか」
「テメェこそいい加減諦めろ。お前に勝ち目は無い」
2匹-------
エンペルトとゴウカザル。
彼らのトレーナーが同じキッサキシティに来てしまった為、こんな事になってしまったのだ。
そして、この会話の内容は、一体。
「私の゛ハイドロポンプ゛を受けたくなければ、さっさと去れ」
「オレはジムに来たんだ!!テメェこそ、オレの゛インファイト゛受けたくなけりゃ、とっとと帰れ!!!」
本気でその大技を繰り出すつもりなのか、2匹の構えが大きく変わる。
わざが衝突すれば、近くにある小屋は余裕で吹っ飛ぶだろう。
「「喰らえッ!!!!」」
「なんだ、エンペルトにゴウカザルじゃないか。久し振りだな」
その声に、ピタリと2匹の動きが止まる。
バッと声の方向に振り返れば、そこにはまさに喧嘩の種が。
「「ドダイトス!!?なんでここにッ!!!」」
そこには、今取り合いをしていたドダイトスの姿があった。
まさか会話を聞かれていたのでは、と、2匹の背中に冷や汗が吹き出る。
「ジムに来たんだ。2匹の姿が遠くから見えたんで、何してるのかと、な」
どうやら会話は聞かれてはいなかったらしい。
同時に安堵の息をついた。
とりあえず今は休戦するしか無い。
と、エンペルトが先行した。
「ドダイトス。お前なら、氷タイプのキッサキジムはつらいんじゃないか?」
「ま、まあな…」
「だから私がバッジを取る。それをお前にやろう」
「ふざけとんのかペンギン!!!バッジは自分で取んなきゃ意味が無いんだよ!!!!ドダイトス、だったらオレと修行しようぜ!」
「うるさい猿!!貴様、私たちの会話の邪魔をするな!!!!」
「…ありがとう、2匹共。気持ちだけでも嬉しい」
ニコリと微笑むドダイトス。
取っ組み合いをしていた、2匹の動きがピタリと止まった。
---------やっぱり、可愛い……!!
どこかでチャンスを作らねば、こいつに盗られる。
お互いに同じ事を考え、睨み合う。
そしてまた、口論が始まった。
「貴様は明らかに身長差があり過ぎる!!背を伸ばしてから出直せ!!!」
「うるせー!!テメェだって低いじゃねえかぁぁ!!!」
もはやかなり低レベルの戦い。
ドダイトスが、この様をどうするかと悩んでいれば、後ろから何者かの声が届いた。
「ドダイトス!!どこ行ったマイハニー!!!」
「誰がマイハニーだ!!森へ帰れ!!!」
ドダイトスと同じチームのポケモン、ムクホークだ。
゛マイハニー゛。
聞き捨てならない。
「お、エンペルトにゴウカザル。何してんだ。オレのドダイトスと親しげに会話するなよ」
「いつから俺はキサマのものになった…!!」
「ドダイトス!!誰だそいつはぁ!!!」
「オレたちに何も話さないでそんな奴と…!」
「違う!!!こいつがただオレにベタベタしてくるだけだ!!!」
「照れるなよ。201ばんどうろからの付き合いだろ」
かなり大規模になった口論は、彼らのトレーナーによって片付けられた。
ただ、エンペルトとゴウカザルの最大のライバルは、ムクホークになったのかもしれない。
「キサマなんかより、エンペルトやゴウカザルの方がまだいい」
その晩、ドダイトスにそう吐き捨てられたムクホークも、彼らをライバル視し始めた。
本気で、あいつを譲れない。
[END]
あとがき
す、すいません!!
なんか最後ムクホーク出てきてるぅ!!
リクエストくださった方、お気に召さなかったらいくらでも修正しますので…
どうか石を、石を投げないでください。
愛想を尽かさないでください。