「ガーノーンっ♪」
ダイニングで皿洗いをしていたガノンのたくましい背中に、リンクが抱きつく。
ガノンは手に持っていた皿を危うく落としそうになった。
「っ小僧!!まだ起きていたのか、もう深夜だぞ今は!!」
「別にいいじゃーん。オレもう17だよー」
何かと語尾を伸ばすリンクの口調に、イラッとする。
ガノンは、魔人拳でも一発喰らわせてやろうかと、振り向いてリンクの額を片手で鷲掴み、顔面に狙いを定めた。
――しかし。
「あつっ!!…おい、貴様っ」
「んー」
「熱があるぞ!!っ……かなり高いな…」
自分の額を彼の額に押し当て、熱を測る。
何故か、そんな行為をしただけでリンクの体温はぐんぐん上昇した。
「ほら、これで冷やせっ」
近くにあったタオルを水道の冷水で冷やして、リンクの額に乗せる。
そのまま彼の肩を担いで、ダイニングと隣接した場所にあるロビーへ足を運んだ。
リンクをダブルソファに寝かせ、ガノンはまた立ち上がる。
「しばらくそこで寝ておけ。まったく…自分の健康管理ぐらいしっかりしておかんか」
「…ガノン」
「は……」
突然マントが引っ張られ、視界が揺らいだ。
何故かそのまま体が傾き、自身の体がうつ伏せにソファに倒れる。
当然、そこには先客のリンクがいて。
ガノンはリンクの胸に倒れ、体を預ける状態となるのだった。
「なっ……!!?おい、貴様っ、何して…!!」
「魔王のくせしてあっさりやられちゃうんだな、ガノン。…いい加減、自覚しろよ」
「何を……っん!!?」
声を出そうと口を開いた瞬間、リンクに口付けられる。
しかし、唇は触れるだけであっさり離れていった。
下でリンクが、熱のせいか顔を赤くして、こちらを見詰めている。
ガノンは、当然、突然の出来事にただただ呆気に取られるだけだった。
「…甘い…」
「っっ、ば!!!」
感想を吐かれ、やっと状況を把握したガノンは慌ててリンクの上から退こうとする。
が、リンクに予想以上の力で抱き締められている為、思い通りに動く事ができない。
「~~~っっ!!!」
「・・・ガノンの腰、結構いいなー・・・。意外」
そう言い、リンクはガノンの腰を撫で回す。
そのセクハラとも言える行為に、ガノンはキレた。
リンクの顔面に思い切りパンチをお見舞いした。
腕の力が緩んだのを感じ取り、ガノンはリンクの上から素早く降りる。
息を切らせて、ガノンは力の限り怒鳴る。
「っ、小僧貴様!!わしをなめているのか、あぁ!!?」
「…んなワケないじゃん。オレ、結構本気なんだけど」
「……!!ふ、ふざけるのもいい加減にしろ!!!」
続く言葉が見つからなくて、ガノンは荒っぽく会話を終えると、ロビーを出て行った。
勢い良く閉められた扉の音が、広いロビーに少し響いてから、静寂が訪れる。
聞こえるのはリンクの息遣いだけ。
リンクは額に乗せてあったタオルを取って床に投げ捨てた。
そして深いため息をつく。
「……ばっかみてぇ」
ずっと、黙っていれば良かったものを。
ずっと、何もしなければ良かったものを。
今さっきまで保ち続けられていた、
『ハイラルの平和を守る勇者』
と
『ハイラルを脅かす魔王』
という敵対関係は、一気に崩れてしまった。
――明日から、どうすればいいのだろう。
どうやって顔を合わせよう。
もう顔も見てもらえないかもしれない。
「…あーあっ」
悩んだって仕方ない。
謝ろう。
明日。
「熱で頭可笑しくなった……」
そう言って、リンクは天井に向かって笑った。
ただひたすら、虚空に。
―――――次の日―――――
「大変大変!!」
「ん?あぁ、トゥーン。どした?」
トゥーンリンクが、朝食当番で早朝からダイニングに立っていたリンクに駆け寄ってきた。
息を切らしてリンクを見上げる。
「が、ガノンのおっちゃんが、さ」
「っっ!!!えっ、なっ」
「なんか知らないけど熱出してるみたいなんだよ!!朝ごはん作ったら、看病してくれない!?オレ、朝から乱闘があってさ!!!頼むよ!!」
パンッ、と両手を叩き合わせトゥーンリンクが頭を下げた。
ガノンの名前を聞いただけでかなり動揺していたリンクは、頭の中を必死に回転させていた。
―――も、もももしや、昨日のキスでうつったとか――!?
はー、風邪ってうつせば治るって言うけど、本当だったのか……
じゃなくて!!
「わ、分かったよ。オレ、今日乱闘無いから。あとさ、呼び出しとか全部断っとくように言っといてよ」
「うん、ありがと!」
――ヤバい、かもなぁ。
今会ったらどんな顔されるか分からない。
めっちゃ嫌われてる可能性もあるし……。
「………もー…やだ…」
好きになる事ってこんなに苦しいのか。
[END]
あとがき
親父受け万歳ですワーイ(・∀・)ノシ
リンクは変態だといいな。ガノンはツンデレ?けど淫乱だといいな(死ねよ)
そんな淫r(殴)なガノンに鼻血でも出してればいいよリンク!!
ていう気持ち悪い妄想ね。