「すまなかった。私のミスで……。今後は気を付ける」
「いや、別にいい。あんたに悪気は無かったんだから。傷も深くない」
スマブラタワー・治療室。
そこにマスターハンドとアイクはいた。
部屋には二人以外誰も居らず、話が途切れれば沈黙が訪れるほど、治療室は静かだった。
「では…私は失礼する。これから乱闘があるから、監視せねば」
「あぁ。ありがとう」
バタンと扉が閉められて、部屋は一気に静まり返る。
窓から部屋に流れ込んでくる風がやけに冷たかった。
「切り傷…か。しばらく乱闘はお預けただな」
アイクは呟いて、自分の腕を見る。
包帯が巻かれていた。
つい、先ほどの事だ。
アイクはマルス、メタナイトと乱闘をしていた。
本来、乱闘での剣による斬撃は、マスターハンドの操作により、喰らっても血が流れないようになっている。
しかし、アイクは運が悪かった。
マスターハンドのミスにより、剣の判定が出てしまったのだ。
メタナイトがそのタイミングでアイクを斬りつけ、アイクは肩を負傷した。
突然の事態に乱闘は中断され、メタナイトには後から必死で謝罪された。
幸い傷は深くなかったので、アイクはメタナイトに笑って
『気にするな』
と言っておいたのだった。
「…誰も見舞いに来ないのか…。情報が出回ってないんだな」
さすがに暇だ。
現場に居合わせたメタナイトやマルスは、今は当番制の買い出しに行っている。
マスターハンドもさっき監視に行ってしまった。
欠伸を一つして、アイクはベッドに横たわる。
まぁ、剣が持てるようになるのは、一週間も経たない内だろう。
早くラグネルを持ちたい。
そう思って、やる事も無いアイクは寝ようとした。
が、そのとき。
「おい!!ここか、アイク!!!」
轟音と共に扉が勢い良く開き、アイクは思わず跳ね上がる。
その声に酷く驚いて扉のある方を向いた。
「な………」
「……っ。わ、忘れ物、だ!!!」
スネークだった。
何故か息を乱している。
そして、アイクに突き出している右手に握られているのは、神剣ラグネル。
アイクの愛用の剣だ。
そう言えば、いろいろあったので転移装置部屋のロビーに置きっぱなしにしておいてしまっていた。
後で取りに行くつもりだったのだが―――。
「スネーク…ありがとう」
「…ふん」
「心配してくれたんだろう?素直になれ」
図星だったらしい。
スネークの顔が真っ赤に染まった。
全てお見通しだ。
誰かから情報を貰い、
ここに来る口実に、ラグネルを持ってきた事、
俺の怪我を心配していた事、
早く此処に着きたくて、全速力で走って来た事、
全部。
おっさんのくせして、耳まで真っ赤にし言い訳をぶつくさ考えるスネークを見て、アイクは笑った。
それを見てムッとしたように、スネークは眉間に皺をつくる。
「笑うなっ!!」
「可愛いな、あんた」
「っっ」
どこまで赤くなるのか、スネークは更に顔を朱に染めた。
アイクはスネークに歩み寄って、右手にあったラグネルを受け取る。
「ほんの礼だ」
「は…!?」
そう言って、スネークの頬に口付けた。
アイクは腕から彼を解放してから、ラグネルを、怪我のしていない方の左腕で肩に担ぐ。
柄が暖かく、少し汗ばんでいた。
そんなに長い間、しかも強く、握っていたのだろうか。
「………クッ」
「っ何が可笑しいっっ!!」
「別に」
自分の為に必死になってくれたのかと思うと
アイクは口が緩むのを抑えられなかったのだった。
[END]
あとがき
親父受けバンザーイ!!スネークツンデレェェ!!!
マルスネよりアイスネが好きです。
アイクは総攻めでいいよ!アイクの受けは書けません。いややればできるだろうけど。
いい加減ポケモンの方にも取り掛かろう……