『好き』、だなんて気付かない。

 

「あんたの仮面の下が見たい」


そう何度も彼に頼み込んだが、全部すっぱり断られた。

何度も、何度も、乱闘中どさくさに紛れて盗ろうとしたり、眠っている所を狙ったりしたが、見事全て失敗した。
しかし諦めるつもりは無い。


今日も、彼の元へ向かう。

 

 

 

「メタナイト。少しいいか?」


乱闘が終わり、リビングでくつろいでいたメタナイトに声をかけた。
最近下を見せろ見せろと言っている所為か、彼の目に警戒の色が灯る。


「アイク…? なんだ」
「話したい事があるんだ。部屋まで来てくれないか」
「む……」

少し考えてから、メタナイトはこちらまで歩いてきた。
なんとかついてきてくれるようだ。

アイクはメタナイトを見下ろしながら、自分とマルスの部屋がある二階への階段を上る。


今日はマルスはスネークと亜空間の大迷宮まで行っている。
出掛けの際にも、『帰るのは深夜になると思う』と言っていたし、部屋は一人で使い放題だ。

 

 

「ほら、入ってくれ」

自室の扉を空け、メタナイトに入るように促す。

メタナイトは少し警戒しながらも部屋に入ってくれた。


アイクも部屋に入り、後ろ手で扉を閉める。


部屋はカーテンで仕切られている。
部屋の4分の1しかアイクのテリトリーは無いが、別に気にしてない。

そのカーテンで仕切られている所に足を運びカーテンを手に掴む。
静かに開けて、メタナイトに『入れ』と顎で示した。


アイクの自室は、シングルベッド一つに、武器ラグネルと服やマントを仕舞う棚だけが置いてある、飾り気の無い部屋だ。
不必要な物は一切置いていない。

 

「で…どうしたんだ? アイク」


部屋を見渡しながら、アイクに背を向けた状態でメタナイトが言う。

アイクは黙ったまま彼に近付いた。


「アイク?」


振り向こうとしたメタナイト。

 

そんな彼を、アイクは素早く片腕で捕らえた。

 

「っっわわ!! あ、アイクっっ!!!?」

 

驚いて叫ぶメタナイトを片腕に抱いたまま、アイクはベッドになだれ込んだ。

そのままメタナイトを組み敷く。

 

「…どうしても、あんたの素顔が見たい」
「なっ、アイク!! やめろ……ッ!!!」

一頭身の彼がジタバタと抵抗するが、そんなの屁にもならない。
左腕でメタナイトを押さえつけ、空いていた右腕を目の前の仮面に伸ばした。


「ほっ…んとうに……!! 頼むからやめてくれ!!!」


メタナイトが涙声で懇願する。

しかし、今は良心より好奇心の方がアイクの中で勝っていた。


「ギャラクシアが無くて助かった……。あんた、剣が無けりゃ俺には全然敵わないからな」
「ぐっ……」


左腕でメタナイトをベッドに押さえつけ、空いていた右腕で仮面に手を伸ばす。

 

そして、彼の顔を隠す仮面を外した――――。

 


「……………!!?」

 

彼の顔を見て、驚愕する。

 

それは、あまりにも予想外なもので。

 

「め、メタナイト……」
「だからっ、嫌だと……っ!!」


顔を真っ赤にしてメタナイトが顔を隠す。
な、泣かせてしまった―――。


メタナイトの素顔は、例えるならば――

カービィ、だろうか。

 

渋い声とは裏腹に、とても可愛らしい顔だった。

 


「す、すまない…」
「っ……」
「…可愛い…」


「は……!?」


ふとそう漏らせば、メタナイトが驚いた様子でこちらを見る。
本当に可愛いのだ。
仕草も全てが。


「メタナイト…」
「まっ…アイク!!?」

 


ガチャ

 


「アイクー!!一緒に乱闘行こうぜ!!!」

 

扉が開いた音がカーテンの向こうから聞こえ、元気な声が叫ぶ。
ソニックだ。

そちらに気を取られて腕の力を緩めてしまい、メタナイトはその隙をついてアイクから逃れる。


「あっ」

 

一声そう漏れたときには、もう彼の姿は無かった。


ソニックがアイクの視界に姿を現す。


「どうしたんだよメタナイト。すげぇ慌ててたけど?」
「や…別に、何も」

「今日おっさんいないからさぁ、暇で暇で。だからっ、早く来いよ!」


ソニックに手を引っ張られ、仕方なくベッドから立ち上がる。

 

どうしようか。
メタナイトに嫌われただろう。


「アイク、早くっ」
「あぁ…」

 

返事を軽くしながらも、

 

頭は、彼の事でいっぱいだった。

 


[END]

 

あとがき

アイク、それは恋さ。(何)
アイ→メタって感じですね、コレは。
アイクちょっと乱暴すぎた。もっとメタナイトを気遣え。
ちなみにまた近いうち、大迷宮の方に言ったマルスとスネークの話も書くと思います。
マル→スネ→ソニって感じのやつ……
その内ね。

 

モドル